2020年 HYCナイトレース

愛知県で緊急事態宣言が発出され、新型コロナウイルスの感染者が拡大している状況ではあるが、感染対策を万全にした中でHYCナイトレースが開催された。

レース開催前の艇長会議では、参加者全員がマスクを着用し、テーブルの上に置かれたアルコールジェルで消毒をする。クラブハウスの窓もオープンにして換気を徹底する。

そして、18:45 スタート。薄いグレーに染まった空と暮れ始めた海面の間にレース参加艇が次々とスタートラインを切ってゆく。

事前の天気予報では、19:00過ぎると南の風は弱まる予報だったが、嬉しい外れで風は弱まる気配がない。クローズホールドで南下する。風は、10 KnotからMAX16Knotまで吹き上がる。南南東の風で、かなり登らないとタックを余儀なくされる状態だったが、途中、本部艇が近づいてきて、「メインシートをもっと閉めろ」とのレース委員長の指導の声が飛ぶ。慌てて、メインシートを閉めるが、年寄りクルーと女性クルーではなかなか閉まらない。業を煮やした20代の若者男性クルーが、ウインチを思い切り回してゴリゴリと閉める。するとブームが下に湾曲するぐらいに下がった。ちょっとやり過ぎじゃないの、と思っていたら、レース委員長から「3cmメインシートを緩めろ」との指導の声が飛ぶ。そこで緩めるとメインセールにしっかりと張りが出て、なおかつトラベラーを少し風上にずらし、風上への登り角を上げることが出来た。そこから先は、ポートタックでどんどんと進む。艇速は、5から6Knot。順調に先行艇を追う。周りの景色は暗闇で全く見えないが、遠くのプラント工場の明かりが鮮やかに輝く。先行艇の明かりがかなり大きく見えてきた。近づいている。しばらく走ると折り返し点から帰ってきたトップ艇が下っていくのが見えた。折り返し点に来て、タックし、ベアリングして風下に向かう。スピンを上げる用意をしていたが、我々のメンバーは初心者ばかりでこの風と暗闇でスピンを上げるのは危険と判断し、ジブとメインでクォーターリーの風を受けて下ることにした。それでも6から7Knotのスピードが出ている。やがてゴール近くのチェックポイントを過ぎたので本部に連絡する。風が落ちてきたところでゴールのホームポートに入り、ゴールインした。前回、DNFでリタイアしただけに無事ゴールできたのがうれしかった。とてもいいレースでした。

レポーター:Ada 近藤史人

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