7月19日 沖の瀬レース

7月19日(日)沖の瀬レースが開催されました。新型コロナウイルスの影響で今年は、レースの中止が相次いだが、緊急事態宣言も解除され、高校生のヨット部も部活をはじめたので、我々もそろそろ活動開始ということでHYC単独のレースですが、予定通り開催となりました。

しかし当日は、風が無い。でも「沖の瀬まで、何としても行ってもらいたい」というレース委員長の熱い思いを受けて、スタート地点を一色ブイ付近、スタート時間11:00で開催した。

スタート前は、6,7Knotの風が吹くいいコンディション。当初ゴールも一色ブイ付近と決めていたが、矢作ブイ付近に変更になるかもしれないとの情報も流れた。しかし、その後、風は弱まり、やはり一色ブイ付近ということでスタート。弱い風の中、各艇がスタートを切る。

海峡に入る僅かな風を捉え、なんとか師崎水道を抜けるといい南の風が吹いてくる。同じく師崎水道で苦労していたAKIは、一足早く、我々よりも師崎水道を抜け出していた。

クローズホールドで沖の瀬ブイめがけて、AKIの後を追って進む。途中、沖の瀬を折り返してゴールを目指すパーフェクトブレーク、シャンティ、サザンウインド、IBIZAとすれ違う。

かなり離されていたAKIにも追いつき、2,3艇身というところまで来た。風上側から何とかして抜こうとするが、登り角度がギリギリで、これ以上登ろうとすると速度が落ちて抜けない。仕方ないので、下から抜いてやろうと風下にヘディングを落とす。すると速度がぐんと上がり、見る見るうちにAKIを抜き去り、引き離した。何とか沖の瀬ブイの近くまで来て、航路の本船を交わしてタックし、ブイを反時計回りに回ろうとするが、急流の川のように潮の流れがきつくて、前に進めない。仕方ないから下に落として反対方向から回ろうとするが、これも潮に流されうまくできない。時計を見ると16:30になっていた。タイムリミットまで30分しかない。ここから一色ブイまで30分ではいけない。5位のポジションを争っていたAKIは早々とあきらめたらしく、師崎水道に向かって走っている。海の上というのはお仲間がいなくなると急に寂しくなるものだ。陽も傾き始めていた。我々もリタイアしようとスピンの準備をしていたバウマンに「それ片付けて」、と声をかけ、本部艇にリタイアの電話連絡を入れて、すごすごと帰港の途に就いた。

風を読み、潮を読むスキッパーの腕の違いが顕著に現れたレースとなったような気がします。

レポーター:Ada、近藤史人

関連記事